皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
フレイル(frailty)は、加齢に伴いさまざまな臓器機能の変化や予備能力の低下が起こり、外的ストレスに対する脆弱性が亢進した状態で、種々の障害(日常生活自立度低下、転倒、独居困難、合併症増悪、入院、死亡など)に陥りやすくなった状態のことを指します。
もっと具体的に言うと、要介護には至っていない、すなわち自立性は失われていない段階であるが、加齢により身体の余力が低下して、感染症や外傷などの急なストレスがかかるイベントが起こった後に、元の状態に戻る回復力や機能が低下し、場合によっては要介護になってしまう状態のことをいいます。
高齢者といっても個人差が大きいですが、フレイルとは、平均よりも老化が進んで虚弱となっているグループを指すと考えると理解しやすいかもしれません。
現在、WHOは65歳以上を高齢者と定義していますが、将来的には高齢者の定義を年齢ではなく、「フレイルかどうか」で決める時代が来るのではないかと言われています。
フレイルの特徴と種類
フレイルの大きな特徴は、可逆性であることです。
可逆性とは、別の状態に変化したものを元の状態に戻すことができる性質のことをいいます。
つまり、フレイルとは、適切なタイミングで適切な予防や対策を行うことで、将来の日常生活機能障害や転倒、入院、施設入所、死亡などのリスクが軽減できるのです。
そして、フレイルは、大きく3つに分けることができます。
- 身体的フレイル
- 認知的フレイル
- 社会的フレイル
身体的フレイルは、加齢による骨格筋量の減少や食欲不振による慢性的な低栄養などが相互に影響しています。これらが悪循環となって、心身機能の低下を加速させることが懸念されています。
認知的フレイルは、軽度の認知機能障害はあるものの認知症にはなっておらず、かつ、身体的にはフレイルな状態のことをいいます。認知的機能の低下と身体的フレイルは合併しやすいことが分かっていて、そこには、生活習慣病、栄養障害、ホルモンの異常、炎症、うつなどが共通の要因となっている可能性があります。
社会的フレイルは、社会活動への参加や社会的交流に対する脆弱性が増加している状態のことをいいます。経済的貧困や教育レベルについては、必ずしも加齢とともに悪化するとは言えないため、社会的フレイルは、健康の社会的決定要因と称されることもあります。
フレイルの評価と対策
フレイルは、体重減少や筋力低下、歩行速度などの項目から評価します。
そして、フレイルの予防や対策には、運動や食事がメインになります。
「アジア太平洋のフレイル管理の診療ガイドライン」では、「フレイル高齢者には、レジスタンス運動の要素を含む漸進的で個別的な身体活動プログラムを適用する」ことが強く推奨されています。
また、身体活動は、フレイル高齢者の筋力や身体機能、日常生活動作を維持・改善するために最も重要です。
あまり意識したことはないかもしれませんが、日常生活動作は、複数の関節がタイミングよく、スムーズに動く「連動」で成り立っています。
日常生活動作を維持・改善するためには、正しい練習法で何度も学習することが大切になるのです。
そのため、フレイルの予防や改善のためには、個人の体力レベルに合わせた運動プログラムを受けられるパーソナルトレーニングがとてもおすすめです。
Up to dateでは、スタジオでのパーソナルトレーニングだけでなく、出張でのパーソナルトレーニングも承っています。
自家用車がない方や、自宅で普段から取り組める運動を学びたいという方も、お気軽にご相談ください。