皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
変形性股関節症の方にとって、痛みを減らして、股関節を長持ちさせる方法があるのであれば、知りたい試してみたいと思われるのではないでしょうか。
手術をしていない方でも、どんどん悪化していく方がいる一方で、ある程度のところで症状が落ち着いている方もいます。
自骨手術を受けられた方でも、すぐに人工関節手術となる方がいるかと思えば、もう40年間も問題なく過ごされている方もいます。
人工股関節手術を受けられた方でも、数年で再置換術(再手術)を受けられた方がいるかと思えば、人工股関節側を軸足にしながらも30年間無事に過ごされている方もいます。
この差はいったい何なのでしょうか?
これから、皆さんの股関節を意図的に長持ちさせる方法についてお伝えしていきます。
股関節痛の原因とは?
股関節痛の原因は、軟骨が減っていたり骨と骨がぶつかっているからと思っている方がほとんどではないでしょうか。
しかし、その股関節の軟骨にも骨の表面にも痛みを感じる神経は存在していません。
骨や軟骨に股関節痛の原因があるのであれば、変形の程度と股関節痛は比例するはずですが、レントゲン上は、骨や軟骨に重度の変形が見られるものの、股関節痛がない方がいたり、人工股関節の手術後、レントゲン上は手術が成功しているにもかかわらず、股関節痛を訴える方がいたりすることからも明らかです。
痛みを感じる神経は、股関節の骨や軟骨を包む関節包や関節包の外側にある筋肉に存在します。
このことから、股関節痛には2つの状態があると考えられます。
- 股関節関節包内の痛みと、その痛みの影響を受けた筋肉性の痛みの2種類の痛みが混在した状態の股関節痛
- 股関節関節包内の痛みはなくなっているにもかかわらず、その痛みの後遺症として筋肉性の痛みだけが残っているだけの股関節痛
つまり、股関節まわりの筋肉が原因で痛みが出ている場合は、人工股関節手術を受けた後も痛みがなくならないことがあるのです。
人工股関節には痛みを感じる神経は存在しませんし、手術時に一番痛みを感じやすい関節包を取り除いていますので、本来であれば、手術後に痛みは感じないはずです。
にもかかわらず、痛みを感じるということは、筋肉性の痛みが持続しているということです。
股関節痛を減らして長持ちさせる方法
股関節痛を減らして長持ちさせるためには、股関節を守る22本の筋肉をほぐして(ストレッチして)、筋肉のコンディション(状態)をより良い状態に向かわせること、良いコンディションを維持することが重要になります。
痛みがあり、血行不良をおこしている筋肉のコンディションを良くするためには、ストレッチが有効です。
この場合、コンプレッションストレッチとスタティックストレッチの2通りの方法があります。
スタティックストレッチは、一般的に行われているゆっくりと静かに伸ばしていくストレッチです。しかし、この方法は股関節痛があって股関節を思うように動かせない時にはできませんし、できたとしても、筋肉のコンデイションが良い部分だけが伸ばされ、肝心の筋硬結部分(筋肉のしこり)が伸ばされないという問題点があります。
筋肉を効果的に、ほぐせる方法がコンプレッションストレッチです。これは、筋硬結部分を直接圧迫してほぐす方法で、たとえば、硬式テニスボールを床において、そこに痛い部分を乗せて体重をかけることで行うことができます。
やり方が分からない、効果が十分に得られない場合は、お気軽にご相談ください。パーソナルトレーニングで行うコンプレッションストレッチでは、自分ひとりではほぐすのが難しい深部の筋肉まで緩めることができます。
最後に
股関節まわりの筋肉のコンディションが良くなると、股関節の衝撃吸収力が高まり、股関節痛が軽減できます。痛みが軽減すると、動けるようになり、楽に歩けるようになります。そうすることで、脚の骨や筋肉が強くなり、徐々に色々な動作ができるようになっていきます。色々な動作ができるようになると、さらに骨と筋肉が強化され、血液循環も改善されます。ここまでくれば、股関節は長持ちします。
変形性股関節症に対する治療法は、病院でのリハビリ、手術だけが全てではありません。筋肉のコンディションを良くすることで、痛みを軽減したり、長持ちさせたりする方法もあることを覚えておいてください。
痛みが落ち着いた後や手術後も、それで終わりではなく、筋肉の良いコンディションを維持することで、股関節を長持ちさせられます。
そして、もし身近に股関節痛でお悩みの方がいる場合は、ぜひ教えてあげてください。