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2021.8.27知っておきたい運動と疲労の関係

 

皆さん、こんにちは。

 

Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。

 

疲労というと、日常やスポーツでのパフォーマンス発揮においては克服すべきものと思いがちですが、人間が生命を維持するために身体の状態や機能を一定に保とうとする恒常性(ホメオスタシス)維持のため、過度の運動を防ぐ心身の防御機構として働くことも知っておきましょう。

 

疲労は心身を休めるようにという身体からのメッセージだと認識することで、過度の疲労(過労)を生じる前に対処することができるでしょう。

 

疲労をもたらす要因や、身体活動や運動による疲労軽減効果の可能性についてみていきましょう。

 

身体活動と疲労

 

疲労をもたらす要因、疲労度を左右する要因は何があるでしょうか?

 

疲労は多くの場合、性別、年齢、身体活動、睡眠や食事などの生活習慣、健康状態など複合的要因によってもたらされます。

 

特に、身体活動と疲労の関係と身体活動の疲労軽減効果についてご紹介します。

 

身体活動とは、運動やスポーツだけでなく、労働、掃除や洗濯などの家事や買いものといった日常生活動作も含まれます。

 

身体活動と疲労の関係性では、横断的検討(ある一時点での関連性を検討)で身体活動度が高いほど疲労が低く、逆に身体活動度が低いほど疲労が高いという結果が示されています。

 

また、身体活動度が高いほど、全般的疲労、身体的疲労、精神的疲労の全てにおいて疲労度の点数が低いことがわかっています。

 

この疲労と身体活動の関係性は、性別と年齢を統計学的に調整しても変わりません。つまり、性別や年齢にかかわらず、身体活動度が高くなると疲労が低くなるということになります。

 

労働と疲労

 

身体活動のなかで、スポーツや運動については、ある程度以上の強度で行えば筋肉や全身に疲労を感じることは想像しやすいでしょう。

 

しかし、労働という身体活動と疲労はどのような関係にあるのでしょうか。

 

近年では、労働における身体活動は全般的に低下してきています。サービス業従事者の増加に伴って職場での身体活動は1960年から今までに20%減り、さらに2030年までには35%減る可能性があると言われています。

 

また、オフィスで働く労働者では、最も長い場合で71%の時間が座った状態(座位)だったという報告もあります。

 

そこで、たとえ身体活動や運動を健康のために推奨されるレベルまで行っていたとしても、その他の時間が座りっぱなしでは健康に悪影響があるのではないか、という考えも生まれてきました。

 

座位の健康影響を検討したメタ分析では、座位時間が長いことが2型糖尿病の罹患、心血管系疾患の罹患と死亡、がんの罹患と死亡、全死因による死亡のリスクを高めることが示されています。

 

もう少し座りすぎのリスクや解決策について詳しく知りたい方はこちらのブログをご覧ください

 

それでは、座位の時間と疲労度についてはどんな関係があるのでしょうか?

 

実は、座位時間が長いほど、全般的疲労、身体的疲労、精神的疲労が高かったことが示されています。

 

したがって、重いものを持って移動する、長時間立ち仕事をするといった身体的負荷の大きい労働はもちろんのこと、座りっぱなしでいる労働も疲労と関係しているということです。

 

他にも考慮すべき疲労をもたらす要因とは

 

労働者が疲労する原因として、労働の身体的負荷という側面とともに精神的負荷の側面についても考えることが重要になります。

 

いわゆる労働の心理社会的要素、仕事のストレスです。

 

仕事が忙しすぎて時間内に終わらないといった量的な負担、高度な難しい仕事を自分で創意工夫して考えながらしなければならないといった質的な負担、仕事のやり方や方針に自分の意見を反映できないといった裁量の低さなどのストレス要因が疲労に与える影響が懸念されます。

 

身体活動・運動については、がんや糖尿病、心血管系疾患の発症予防効果のみならず、精神健康にも良好な効果があり、仕事のストレスによる精神的疲労に対する影響を緩和する効果も期待されます。

 

身体活動と疲労、座位と疲労、ストレスと疲労などさまざまな観点から疲労についてみていきました。

 

疲労とは、心身を休めるようにという身体からのメッセージでもあり、過労を生じないように休むことも大切です。そして、座位やストレスなど疲労をもたらす要因には、身体活動・運動が効果的です。疲れたからと休んでばかりでは、身体活動度が低下し、疲労が高くなってしまうことも覚えておきましょう。

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