皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
加齢とは、生まれてから死にいたるまでの、徐々にかつ自然に変化していく様を意味します。
加齢にともなって、人間の筋肉は量・質ともに顕著に衰えます。生物として避けられないこの変化は、身体機能の衰えへとつながり、身体的な障害や死亡などの有害なリスクを高めます。
1988年にアルバカーキで行われた学術会議で、Rosenbergは、加齢に伴う筋肉の変化をとらえる学術用語の必要性を唱え、ギリシャ語で筋肉を意味する「sarx」と喪失を意味する「penia」を組み合わせて、「サルコペニア」という造語を提案しました。
この当時は、明確な診断基準や定義が示されていませんでしたが、2010年にEWGSOPによって、サルコペニアは「進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群であり、身体的な障害やQOL、および死亡などの有害な転帰のリスクを伴うもの」と定義されました。
サルコペニアの4大原因とは?
サルコペニアが生じる原因は多岐にわたります。
加齢以外に要因がないものは、一次性サルコペニア(加齢性サルコペニア)とされ、加齢以外の要因によるものは、二次性サルコペニア(非加齢性サルコペニア)とされます。
二次性サルコペニアの原因は、活動(廃用)、疾患(悪液質)、栄養(低栄養)に大別されます。
つまり、サルコペニアの4大原因とは、
- 加齢
- 活動(廃用)
- 疾患(悪液質)
- 栄養(低栄養)
以上になります。
サルコペニアが生じるメカニズムとは?
加齢によってサルコペニアが生じるメカニズムとして、骨格筋の特異的幹細胞であるサテライト細胞の再生能の低下や、成長ホルモンやアンドロゲンといった同化作用を持つ内分泌因子が加齢とともに減少することなどが報告されています。
サルコペニアの直接的な原因は、筋タンパク質の合成を促進する刺激の減少、そして減少を促進する刺激の増加であり、加齢によりこの徴候はより顕著に現れ、サルコペニア発症の主要因となります。
二次性サルコペニアの原因をまとめます。
- 活動によるサルコペニア:寝たきり、不活発なライフスタイル、廃用性筋萎縮、無重力など
- 疾患によるサルコペニア:重症臓器不全(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍、内分泌疾患
- 栄養によるサルコペニア:エネルギーおよびタンパク質の摂取量不足(吸収不足、消化管疾患、および食欲不振を起こす薬剤使用などに伴う)
これらの原因は、いずれも高齢者に頻発する事象であり、加齢性変化と相まってサルコペニアが生じる原因となります。
サルコペニアを予防するには?
「サルコペニア診療ガイドライン2017年度版」では、サルコペニアの予防について①栄養・食事、②運動、③生活習慣病や慢性疾患に対する治療の3つを示しており、そのなかでも食事と運動が推奨されています。
食事に関しては、適切な栄養摂取、特に1日に(適正体重)1kgあたり1.0g以上のタンパク質摂取は、サルコペニアの発症予防に有効で、推奨されています。
運動に関して、具体的な運動方法は個人によって大きく異なるため省略しますが、運動習慣ならびに豊富な身体活動量は、サルコペニアの発症予防に有効で、運動ならびに活動的な生活が推奨されています。
高齢になってからの運動、特にサルコペニア高齢者が運動を始める場合は、運動習慣が不足していることが多く、適切でない運動種目や負荷設定では、運動器の障害などの問題が生じることがあるため、注意が必要です。
反対に、高齢になっても活動的な方にとっては、ほとんど効果がない運動をしてしまうこともあるため、サルコペニアの予防・改善には、個人レベルで、運動プログラムや食事指導が受けられるパーソナルトレーニングがおすすめです。
運動や食事を改善するためには、習慣的に継続して行うことが何より大切になります。トレーナーのようなサポートしてくれる誰かがいることで格段に継続率が高められます。
これからは、いつまでも元気でいるための、ライフパートナーとして、一人ひとりが、トレーナーを選ぶ時代になっていくのではないでしょうか。まずはお気軽にご相談ください。