皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
高血圧は、現在の日本では、約4300万人の患者が存在するといわれています。これは、日本人の約3人に1人という数字です。
また、高血圧は、現在疾患をもっていない人たちが、将来心血管系の病気を発症する最大の危険因子になります。
しかし、高血圧は一般的に症状が出ないため、ほったらかしにしがちなものです。正しい知識を身につけて、血圧をコントロールすることで、心血管疾患のリスクを低下させることが重要です。
高血圧の治療において、降圧薬療法は脳血管障害を約40%、心筋梗塞を約20%減少することが認められています。
しかし、薬物療法以外での、血圧を下げる時の取り組みとして、「運動」と「食事」は並んで必ず取り上げられます。
運動が非常に効果的な方法であることは皆さんよくご存知かと思いますが、どのような仕組みで運動が効果をあげるのかを知っているでしょうか?
高血圧にはなぜ運動が効果的なのか?
有酸素運動による血圧を下げる作用は即効性があることが知られています。
有酸素運動をすることで、心拍数が増加し、多くの血液を筋肉に送るために血管は拡張します。
運動を止めると心拍数は減少しますが、運動を止めても血管はしばらく拡張したままの状態が続くため、血圧が低下するのです。
また、定期的な身体活動、運動を習慣化することによって、心血管系や呼吸器系の機能が向上し、安静時の収縮期血圧と拡張期血圧が両方とも低下することが分かっています。
運動と食事を併用することで得られる効果
運動と食事に気をつけることで、体重と体脂肪を減らすことができます。
BMIで表す肥満と高血圧は密接に関係しており、体重の減量は血圧の減少と相関することが多くの研究で示されています。
肥満のある高血圧患者では、体重コントロールにより血圧が下がります。(体重1kgあたり1〜2mmHgの血圧低下が期待できます)
その他にも、減量することで、高血圧以外の代謝異常を改善するため、心血管疾患のリスクを下げる効果があります。
高血圧のための運動
血圧を下げるための運動としては、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、その他レクリエーションスポーツなどの有酸素運動を行うことが推奨されています。
その他にも、中等度強度の筋トレは、1週間に2〜3回行い、8〜12回の反復運動を1セット以上行うことでも、血圧を下げることができることが分かっています。
しかし、どのような運動を始める場合でも、まずは主治医の評価を受けることが何よりも大切です。
主治医の先生から運動を勧められた場合や、お薬だけに頼るのはいけないと自覚がある方は先生から評価を受けたうえで、血圧を下げる運動を始めていきましょう。
パーソナルトレーニングでは、無理なく安全に取り組むためのトレーニングプログラムを一人ひとりに合わせて作成していきます。ご自宅での有酸素運動やトレーニングのメニューもお伝えしています。
自分ひとりで生活習慣を改善することは至難の業です。ご自身の努力も大切ですが、お医者さんや看護師さん、トレーナーなどによるサポートや身近な人のサポートを活用してみることが重要ではないでしょうか。