皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
2019年の平均寿命は男女とも過去最高を更新し、男性81.41歳、女性87.45歳となりました。(厚労省2020年7月公表・簡易生命表)
大変喜ばしいことですが、問題とされているのが「平均寿命」と「健康寿命」の差です。
健康寿命の最新のデータは2016年時点のものですが、男性が72.14歳、女性が74.79歳で、その年の平均寿命と健康寿命の差は、男性が8.84年、女性は12.34年にもなります。
日常生活に制限があり、医療や介護のお世話になる可能性が高い期間は、男性は約9年、女性は約12年にも及ぶのです。
自分自身が思うように動けなくなるだけでなく、自分の家族などから介護してもらうのはどうしても避けたいという方は多いのではないでしょうか。
また、本人が制限を感じる期間が長くなるだけでなく、介護する側の精神的・肉体的負担、さらには国の財政負担までもが大きくなってしまいます。
健康寿命とは?
健康寿命とは、日常生活に制限のない期間のこと
をいいます。
日常生活に制限というのは、例えば、ベッドから起き上がれなくなったり、床から立ち上がれなくなったりと自力で身体の向きや姿勢を変えることが困難になり、誰かの手を借りなければ日常生活を送ることができなくなってしまった状態をいいます。
健康寿命を伸ばし、平均寿命と健康寿命の差を縮めるために、介護予防が社会的にも重要なテーマになっていくことでしょう。
ロコモティブシンドローム
高齢者の自立した生活を阻害する最も大きな要因に運動器の障害があります。
そこで、日本整形外科学会が、運動器の障害に関する新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」を提唱しました。
支援や介護が必要となった主な原因は、要介護では認知症が24.8%と最も多く、運動器疾患が20.0%、脳疾患が18.4%、要支援では運動器疾患が34.9%と最も多いです。
したがって、予防の観点から要介護や要支援を減らすためには、運動器疾患への対策がとても重要だといえるでしょう。
ロコモ対策
ロコモティブシンドロームの対策は、片脚立ち(バランストレーニング)とスクワット(筋力トレーニング)が基本となります。
基本のトレーニングに加え、他の筋肉のトレーニングや腰痛や膝痛など個々の痛みに応じてストレッチや強度を調節したトレーニングを行います。
身体が衰えてきていることは感じる、だからと言ってハードな運動はしたくないという方にはロコモ対策としてのトレーニングが始めやすいでしょう。
人生100年時代といわれます。この記事を、「いくつになっても好きなことを楽しめる身体づくり」、「あなたらしい素敵な人生づくり」のきっかけにしていただければと思います。