皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
運動が脳に与える効果
筋力トレーニングは、筋肉の強さと持久力を向上させるだけでなく、全体的な健康状態も改善します。
日常生活に筋トレを取り入れることで、様々な好ましい効果が得られるのです。
その効果は、想像を超えるほど多岐にわたります。
定期的な筋トレは、精神の健康や脳にも多くの良い影響を及ぼすことが研究で明らかになりつつあります。
そこで、運動が身体の健康に与える効果のなかでも、特に脳に与える効果についてまとめてみます。
- 認知機能の向上
筋トレは、脳由来神経栄養因子(BDNF)などの神経栄養因子を増やします。そうすることで、神経を若返らせたり、新たに作ったりする働きに良い影響を与えて、学習と認知の改善をもたらします。
- 集中力の改善
筋トレでは、意識を集中しスキルを習得することが求められます。このことは、集中力の改善に役立ちます。そうすることで、1つの動作に集中する能力を高め、精神の健康状態を改善します。
- 長期記憶の増強
筋トレのなかでも、特に、有酸素運動と筋トレを組み合わせたトレーニングは、記憶に関係が深い海馬の大きさを増大させ、記憶の改善をもたらすことが研究で明らかにされています。
- 創造性の向上
神経を若返らせたり、新たに作ったりする働きに良い影響を与えることや、海馬の大きさを増大させることは、新しいニューロンの接続を形成することにつながり、斬新な発想が生まれやすくなります。
- 脳機能の速度向上
最近のメタアナリシス(複数の研究結果を統合し、分析すること)は、有酸素運動と筋トレの両方が、高齢者の認知機能と運動機能に良い効果をもたらすことを示しました。
- 認知症の予防
筋トレは、神経栄養因子を増やしすことで、アルツハイマー病などにつながる脳組織の減少と病変を軽減することが示されています。
- マッスルメモリーの形成
運動をしばらくやめていても、脳内にある過去の運動パターンと動作の記憶のおかげで以前より簡単に行うことができます。このような記憶があることで、トレーニングを再学習する時間が短縮できるため、運動をしていた元の状態に戻りやすくなります。
- うつの抑制
運動、特に筋トレは、うつ症状の軽減または予防に有効であることが明らかにされています。
- ストレスと不安の低減
筋トレは、健康な人でも、心理的、精神的な疾患を持つ人でも、ストレスや不安と関連した症状を顕著に軽減することが示されています。また、ジムでのトレーニングは社会との接点となることが多く、ストレス発散につながります。
- 気分を高める
筋トレを行うことで分泌されるエンドルフィンは気分を高揚させます。また、ウエイトトレーニングをしていない人と比較すると、トレーニングをしている人では発作的に悲しい気分になるという経験が起こりにくいことが分かっています。
以上が、運動が脳に与える効果です。
コロナ禍や様々なテクノロジーの発達といった社会の変化によって、運動をする機会が減ったという方は多いのではないでしょうか。
なんとなく感じていた体の不調も、もしかしたら運動不足が原因かもしれません。
新しく何かを始めることは、最初は難しいと感じるかもしれませんが、決まった行動を繰り返していくことで、習慣ができあがっていきます。
最初から完璧を求めようとせず、小さなことから始めて、楽しんでやれる何かを見つけることも重要なポイントです。
わずかなことでもいいので、何か体のためになる運動を始めてみてはいかがでしょうか。