トレーニングを始める前は、準備がとても大切です。
新しいウェア、新しいシューズを手に入れることも準備の一つになりますが、何よりも明確な目標を定めることがとても重要です。
なぜ、目標を定めることが重要なのでしょうか?
それは、「やる気(モチベーション)」が関係してきます。
やる気には、「動因」と「誘因」という二つの要素が関わっています。
- 動因とは、「こうなりたい」というその人が持っている欲求や願望のこと。
- 誘因とは、その欲求を叶えるための方法や手段のことです。
動因と誘因のどちらか一方が欠けても、やる気は起こりません。
「ダイエットしたい」と思っても、ダイエットする方法や手段が分からなければやる気になりません。
反対に、具体的なダイエット法を知っていたとしても、特に願望や欲求がなければ、やる気は起こりません。
このように、成果を出したい時は、明確な動因を見つけ出すことが大切なのです。
「動因」の見つけ方
動因の見つけ方にはコツがあります。
動因を挙げる時には、やる気が出なくなったり、方向性が分からなくなったりした時に振り返ることができる大きな目標と具体的な行動に落とし込む細かく噛み砕いた目標を立ててみましょう。
大きな目標は1〜3個ほど、具体的な目標は多ければ多いほど良いでしょう。
例えば、「痩せたい」という動因について考えていきます。
大きな目標を見つけるには、なぜ?の質問が効果的です。なぜ痩せたいと思ったのでしょうか?
健康診断でお医者さんからこのままだと病気のリスクが高いですよと言われたので痩せたいのかもしれないし、異性からかっこよく見られたい、モテたいから痩せたいと思っているのかもしれません。
最初の人であれば、「健康でありたい」という動因が見つかりますし、後の人であれば、「モテたい」という動因が見つかりました。
大きな動因は、分かりやすく、シンプルなものになります。
反対に、具体的な目標を見つけるには、どのくらい?いつまでに?どこを?などの質問が効果的です。
すると、半年後の結婚式までに付き合い始めた頃の体重までマイナス10kgは落としたいという具体的な動因が見つかります。
具体的な動因をトレーナーに伝えることで、それならば、週に◯回のトレーニングで、毎週〇〇くらいずつカロリーをカットしていきましょうという具体的な誘因を教えてもらえるでしょう。
順位をつけて、優先順位の高いものから取り組もう
動因がリストアップできたら、次はそれに優先順位をつけていきましょう。
誰にでもキャパシティがありますし、トレーニングの時間は決まっていますので、リストアップした動因に対する誘因に、一度に取りかかることはできません。
「何を差し置いてもそうしたい」という強い動因を優先すべきですし、「いつか達成できたらいいな」という動因よりも「今すぐ何とかしたい」という動因から先に手をつけるべきでしょう。
なかには、優先順位がつけられない動因もあると思います。
そんな時は、同じ順位の動因があっても良いですが、具体的な行動に落とし込むために、最初の2ヶ月ではこの3つの動因に対する誘因に取り組むなどと決めてトレーニングプランを立てていきます。
結果を出している方は、優先順位が明確に整理されています。
また、大きな動因を思い出すことで方向性を見失わずにすみます。
正しい知識や正しい運動に加えて、モチベーションが大きく明暗を分けるのです。
1年365日、同じ1日はありません。
それに伴って、動因や優先順位が変化することは当たり前です。
2ヶ月に1回など、定期的に動因を見直して、動因を整理してみましょう。