皆さん、こんにちは。
Up to dateトレーナーの菅原佑馬です。
糖尿病とは、ひと言でいうと、「血糖値が高くなる病気」です。
血糖値、つまり血液中のブドウ糖の濃度が上がり、それが血管にダメージを与え、やがて動脈硬化や神経障害、腎症、網膜症など、さまざまな合併症を引き起こします。
2019年に厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病の人は、その予備軍も含めると、全国でおよそ2000万人もいると推計されています。
健康診断で分かる、糖尿病とその予備軍
健康診断で「糖尿病の一歩手前、予備軍ですね。運動しましょう」と言われても、具体的にどんな運動をしたら良いか分からない、特に自覚症状もないので、何もせず放置してしまった、という人は多いのではないでしょうか。
糖尿病は、相当ひどくならないと自覚症状は出てきません。
しかし、進行性の病気であるため、何もしないでいるとどんどん悪くなってしまいます。
会社などで行われる健康診断では、「空腹時血糖値」と「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」が測定されます。
空腹時血糖値は、空腹時に測る血糖値のこと。
HbA1cは、検査前1〜2ヶ月間の平均的な血糖値の状況が反映されたものです。
一度、健康診断の結果をよく見てみてください。
糖尿病対策、血糖値のコントロールや合併症予防には運動が効果的
糖尿病は、投薬や食事療法に加え、運動に効果が期待できることがよく知られています。
糖尿病予備軍と言われた人も、血糖値が高めで気になる人も、運動習慣をつけて血糖値を下げることをおすすめします。
ブドウ糖は体を動かすためのエネルギーとなるものです。
そのため、運動することで、血液中のブドウ糖が筋肉で大量に消費され、一時的に血糖値を下げることができます(急性効果)。
また、定期的な運動を継続して行うと、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが良くなり、血糖値が下がりやすい体質になります(慢性効果)。
続ければ続けるほど効果が高まり、積み重ねの効果があるというのが運動効果の特徴です。
その他にも、運動が習慣化することで、体力の向上や筋肉量を維持しながら体脂肪量を減少させることが可能です。
ただし、糖尿病の状況によっては、運動を禁止あるいは制限した方がよい場合があるため、運動を始める際は、医師から運動の許可を得ることで安心して取り組むことができます。
糖尿病対策はどんな運動が効果的?
糖尿病対策、合併症予防には、1日の中で血糖値の変動を小さくすることが大切です。
血糖値のピークは食後1時間程度のうちにくるので、食後の血糖値を抑えるためには、食事をしてから1時間以内に運動を開始すると良いでしょう。
可能であれば、毎食後やるのが理想的です。
血糖値を下げるためにまず効果的なのは、ウォーキングやジョギング、水泳や自転車などの「有酸素運動」です。
運動する時間が長いほどより多くの糖を筋肉で消費できるので、長く続けられる有酸素運動が効果的だといえるでしょう。
そして、有酸素運動と併せて、筋力トレーニングを行うとさらに効果的です。
筋力トレーニングで筋肉量を増やせば、さらに糖を消費しやすい体になります。
大きな筋肉を鍛えると効率良く筋肉量を増やせるので、下半身や胸、背中の筋肉を中心に鍛えると良いでしょう。
ただし、糖尿病は過食や運動不足など生活習慣による原因が大きいため、いきなり有酸素運動や筋トレを始めるのは、かなりハードルが高いと感じる人も多いでしょう。
そんな人は、家事や掃除、ガーデニングなど普段の活動量を増やすところから始める、鍛える運動の前に整える運動を始めると安全に運動効果を得られます。
Up to dateでは、糖尿病対策、合併症予防の運動や整える運動、鍛える運動など、一人ひとりの体力レベルや身体の状態に応じて、運動プランをご提案いたします。気になる方は、お気軽にご相談ください。